2021/05/21
2020年10月時点で設立された大学発ベンチャー企業が累計2,901社に及ぶことが、経済産業省の集計で明らかになった。2019年度の2,566社より335社増え、東京大学と京都大学発の企業が目立っている。
経産省によると、大学発ベンチャー企業の累計数は2004年度で1,000社、2017年度で2,000社を超えたが、1,000社増えるのに13年かかっていた。ところが、その後は2018年度2,278社、2019年度2,566社、2020年度2,901社と急増し、わずか3年でほぼ1,000社増やしている。
各大学が低迷する日本経済に活力を与え、次世代を担う新産業を育成するため、本格的に力を入れていることが、影響したとみられる。
大学別で最も多いのが東京大学の326社で、第2位が京都大学の227社。東日本と西日本の最難関国立大学とされる2校が、ベンチャー企業の輩出でも実績を残している。3位以下は大阪大学、筑波大学、東北大学と国立大学が続き、私立大学は東京理科大学が7位、早稲田大学が10位に入った。
大学発ベンチャー企業従業員に占める博士人材の割合は全体で20%。一般企業の研究職は平均4%だけに、それを大きく上回っていることになるが、技術移転系のベンチャー企業で33%、研究成果系のベンチャー企業で27%と特に高い割合になっている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響は大学発ベンチャー企業にも及び、特に資金調達で厳しい状況に追い込まれているところが少なくない。
参考:【経済産業省】大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました
大学ジャーナルオンライン:https://univ-journal.jp/95843/